こんにちは。元公務員のもりこねです。
私は新卒でノンキャリ国家公務員になりましたが、20代の頃から「公務員になんてならなきゃよかった!」「もう辞めたい!」という思いを抱えながら仕事を続けてきました(苦笑)。
そこで今回は、私が公務員になって後悔した理由を語ってみます。
このようなネガティブチックなことを記事にするのは、実は少々ためらいがあります。
それでもこの記事を書こうと決めたのは、僭越ながらも公務員を希望している方への情報提供の一端を担えれば・・・という思いからです。
それとともに、現役公務員の方で、その中でも特に・・・
「退職」という文字がおぼろげながら浮かんきたんです・・・
・・・なんていう方にとって、ご自身の気持ちを掘り下げる(内観する)きっかけの一つにでもなっていただけたらいいなぁなんていう思いもあるのです。(オマエ、何様だ?と言われそうですが・・・)
そして、私自身がこの記事を仕上げることで、本音・本心に気づく手がかり、足がかりになればという、大変自分本位な理由です(笑)。
公務員になって後悔したこと4つ
私は20年以上、事務系公務員をやってきましたが、私が個人的に思っている後悔したことを、次の4つにまとめてみました。
- 職業を聞かれて「公務員」と言えない
- 世間が思うほど楽でもヒマでもない
- 若い頃は給与が低い(なのに副業禁止)
- 職場環境(特に人間関係)に魅力を感じない
これらを、ひとつずつ掘り下げていきます。
ちなみに、公務員の悪い面ばかりでなくそのよさも感じていましたので、過去にそれをまとめた記事を挙げています。
よろしければ、読んでみていただけるとうれしいです↓
それでは、お得意の自分語りをはじめますよ(笑)。
職業を聞かれて「公務員」と言えない
自分の職業を聞かれて、堂々と「公務員です!」とは、私は言えませんでした。
これは人によりけりのところもあるのだと思いますが、少なくとも私は、自分が公務員であることを明かすのに、ためらいがあったのです。
なぜそうなってしまったのかは、思い当たる節がありました。
それは、「アンチ公務員」がいたからです。
そこまでいかなくとも、「公務員?いいねぇ、安定してるし、定時で帰れて楽だよね。」なんてことを言われることが多く、若い頃の私は、なぜかそれを聞きたくありませんでした。
歳を重ねるにつれ、「だから、何?」とか「それがどうした?」なんて(心の中で)かわすこともできるようになったんですけどね。
それでも、どうしても職業を言われなけばいけない時は、恐る恐る相手の反応をみながら「告白」していました(笑)。
今から思えば、普通にさらっと「公務員です」とこたえれば、相手も「ふ~ん、そうなんだ~」という反応で終わっていたのでしょう。
そんな不安や心配の心理状況での「告白」では、相手からみれば、私はかなり不自然なおかしなヤツに見えていたと思います。
そして何よりも、自分が毎日一番時間を費やしていること(公務員の仕事)について、後ろめたさを感じていたことに気づき、それがとても悲しかったのです。
自分の職業に「自信や誇り」を持てず、まあそこまでいかなくても、「人に言えないほど」であるということになんとも情けなさを感じ、それで人生を終えていくことがなんてもったいないのかとも思っていました。
まあこれは、公務員に限ったことではないのかもしれませんけどね。
敵はもしかしたらアンチ公務員という他人ではなく、自分自身だったのかもしれません。
自分が他人からどう見られているのかを、異常に気にしている他人軸だったことが、一番の問題だったのす。
さらに、堂々と「公務員やってます!」って言えるような仕事を私はしていなかったんだなぁ・・・ということが、この記事を書きながらあらためて気付かされました(苦笑)。
ただ、公務員を辞めて9年経った今の私は、いわゆる「定職」に就いていないともいえるし、公務員時代ほど収入を得ていない状態です。
それでも、この大変化の時代にどうやって生きていこうかと真剣に考え、それに伴う行動も可能な限りしています。
そんな自分の生き方に、後ろめたさや罪悪感などは微塵も感じていませんし、この先何が起きても、自分のことは自分で責任を取ろうとハラを括っています。
私のような生き方は、甘いとかおかしいと思う人は少なからずいるのでしょう。
そういう人の中でも、私のことを本気で心配したり考えての言動であれば、真摯に耳を傾けます。
でも、そういうわけではなく、ただただ「常識」とか「正論」などを振りかざし、「普通は〜」「みんなが〜」が口癖の、自分を持っていない思考停止の方々の言葉であれば、それはもう気にならなくなっています。(・・・っていうか、誰のことだ?)
世間が思うほど楽でもヒマでもない
先にも触れましたが、私が公務員になった頃は、世間では「公務員イコール楽」が当然のようにありました。
ここ10年ほどで、「いや、どうやらそうでもないらしい」というイメージが浸透してきた感がありますが、それでもまだまだ「甘い」とか「ぬるい」という印象は否めません。
べつに、「忙しい自慢」をしたいわけではなく、「公務員って世間が思うほど、楽でもヒマでもない」ということと、「公務員だっていろいろあるんだけどね〜」という気持ちをわかってほしかっただけなんです。(はい、単なる感情論です・・・)
たしかに、部署や立場によっては、比較的定時で帰ることができるところはあります。
でも、意外と毎日わちゃわちゃごちゃごちゃしていて、「ちょっとこれやる意味あるの?」というような無駄とも思える業務で残業を重ねていました。(サービス残業も多かったし・・・)
おかげで、ストレスフルな毎日を過ごしていましたし、私のように感じている職員も相当数いたのです。(だって、飲み会は不毛な愚痴会でしたから)
そんな公務員の職場を何も知らない人から、「公務員は楽でヒマだよねー」と言われると、正直カチン!とくることもあったり、こんな私の気持ちなんて誰もわかってくれないんだわ・・・なんて悲劇のヒロインぶったりもしていたものです(苦笑)。
そして、お決まりの一撃必殺の一言→「民間はもっと厳しいよ!」
これを、公務員以外の人や民間企業経験者などに上から目線(?)で言われると、こちらはもう何も言えなくなっていました。
公務員って、「民間」って言葉に異常にセンシティブなんで。(たぶん)
結局はこれも、他人の目を気にしていることに尽きるのでしょうし、そんなわけのわからないことをいう人たちのことなど、スルーしておけばよかっただけのことです。
現役時代の私は、そんなくだらないことをいちいち気にする他人軸(←もう私はコレばっかりですわ)でした。
そして、実はかくいう私自身も、公務員って楽だと思っていた一人だったのです(笑)。
これから公務員になりたいと思っている方は、「公務員なんて余裕〜♪」と舐めてかかっていると、そのギャップでえらい目をこくかもしれませんのでご注意のほど〜。(そういう人を何人もみてきたし、私もその一人でした)
若い頃は給与が低い(なのに副業禁止)
今後はどうなるかはわかりませんが、少なくとも私が現役時代は、公務員安定神話もまだかろうじて健在でしたし、給与も少しずつではありますが確実に上がっていました。
そのイメージがあるからでしょうか、「お給料、たくさんもらってるんでしょ?」なんて言われることもしばしばでした。
たしかに、10年、15年ほど勤務を継続すれば、贅沢はできなくともある程度の生活ができる給与はいただけるようになります。(それでも、配偶者や子どもを養うとなると余裕はぶっこけない)
ただそれまでは、薄給ゆえにカツカツのボンビー生活(←死語?)でした(笑)。
私が入省したのはバブル好景気だったこともあり、民間企業、特に金融系に入社した同世代の人たちとは、お金の使い方、遊び方に雲泥の差があったものです。
一番遊びたい盛りの年代で、遊ぶお金どころか好きなお洋服も買えず(今のようなファストファッションはなくDCブランドというやたらと高っかい服が流行っていましたから)、旅行もできず、本を買うこともためらい、ただ家と役所を行ったり来たりの地味~な生活、まさに「ザ・公務員」を地でいってました(苦笑)。
さらに非常に個人的事情にはなりますが、私には奨学金返済も待っていたわけですので、そりゃもう毎日が大騒ぎでした(笑)。
それなのに、公務員以外で収入を得ること(副業)は禁止されていたのです。
公務員なんてならなきゃよかった・・・と本気で思っていました。
でも、先にも触れたとおり、私が公務員をやっている頃は、長く勤務すればするほど給与は増えていき、そのうち同世代女性の平均年収を超えていくほどまでになったのです。
しかし、価値観は人ぞれぞれ違いますし、私が入省した頃と今とでは、情勢も様変わりしています。
民間企業もなかなか大変なご時世になっているので、はじめからある程度給与額が想定できる公務員の方が、覚悟ができていいのかもしれませんね。
それに、確実に言えることは、「給与遅配がない」と「ボーナスが支給される」なので、その意味では非常に恵まれていると思います。
職場環境(特に人間関係)に魅力を感じない
職場環境、特に人間関係において、あまり魅力を感じなかったというのが正直なところです。
もちろん、すべてを否定をするつもりはありません。
公務員は、真面目で従順というイメージがありまして、事実そうなんだと思います。
たしかに、上司や同僚、後輩たちも、基本表面的には「いい人」が多かった印象ですし。
ただ、私個人の感覚としては、自分を棚に上げてしまう発言になりますが、人間性が豊かだったり、キラリと光るものを感じる人は、それほど多くはいませんでした。(そういう意味では、類は友を呼ぶということが言えるかもです・・・汗)
それどころか、なかなか意外と複雑でめんどくさいことも多々あったのです。
特に20代の頃に、ちょっとした誤解により、組織の中で影響力のある男性上司との関係がうまくいかなくなったこともありました。(その上司から無視をされていました)
それにより、私は問題児とされまして(苦笑)、職場に居づらくなってしまって、相当悩んでいた時期があったのです。
まあそれは、上司を引き立てなかった私に問題があったわけで、そんなことは今さらどうでもいいことなのですが、人間関係で悩む公務員は、かなりの数いるのかなと推測しています。
公務員って大人しくて優しそうにみえますが、理屈っぽくて小難しくてプライド高くてめんどくさい人が少なくありません。(はっきり言っちゃった!)
そして、もちろん全員ではありませんが、よく言えば個性的、悪く言えば変人というのか浮世離れした職員に数多く出会ってきた感がしています。
まあこれは、どこの世界でも同じなのかもしれません。(しらんけど)
ただ、他の民間企業などと違うことは、公務員は、法に抵触するほどの悪さをしないかぎりは辞めさせられることはありませんので、どうしてもおかしな方々が一定数存在してしまうのです。
そして、はじめは、魅力的で面白い人だなと思っていた職員も、何年か経つと、よく言えばその環境に馴染んでしまい、そのユニークさやセンスの良さが失われていく様は、残念でなりませんでした。
それでも、自分が信念を持って仕事に打ち込むなどして考え方を変え行動していけば、必ず同じような考え方、感じ方をする職員が現れます。
自分では何もせず、そして自分を棚に上げて、「魅力的な人がいない」だとか「変な奴ばかりだ」と嘆いているうちは、状況は全く変わらなかったというのが自分の経験としてあるのです。
おわりに:公務員になる前に様々な経験をしておけばよかった?
元公務員である私が、公務員にならなければよかったと後悔していることを語ってみました。
どんな仕事や環境も一長一短あるわけで、完璧なんて存在しないことは承知しているつもりで、この記事を書いています。
それでも、公務員や公務の職場を批判や否定しているように捉えられかねない内容になってしまった感は否めません。
ゆえに、現役公務員の方にとってはあまり気分がよろしくなかったかもしれませんし、公務員希望者にとっては夢を打ち砕くような(?)内容だったのかもです。
そんな中でも、何かほんの少しでも参考になるようなものがあれば、うれしいかぎりです。
最後に、実は私が一番引っかかっていることがあるので、それをお伝えして終わります。
それは、
「公務員になる前に、様々な経験をしておけばよかったのかも」
ということです。
このことについては、また機会があれば詳しく記事にしていきたいと思っています。
ありがとうございました。