こんにちは。元公務員のもりこねです。
公務員は安定、安泰なんていわれます。
私が公務員(ノンキャリ国家事務職)を選んだのも、安定が理由の一つとしてありました。
ただ、退職した今、公務員って本当に安定だったのかな?
・・・なんてことを思ったりしています。
そこで今回は、公務員は本当に安定なのか、それとも不安定要素もあるのかということについて、あくまでも私の個人的な考えを記事にしていきます。
結論としては、公務員を安定と捉えるか不安定と捉えるかは結局は人それぞれ、その人次第ということになってしまいます。(身も蓋もありませんが)
なんだかんだいっても、自分の軸というのか核をもって生きている人が、一番強くて安定しているのかもしれませんけどね。
公務員が安定といわれる理由
公務員が安定しているという話は、今さら私などがここでいうまでもないことでしょうが、不安定要素との対比もあるので、ここではかなりざっくばらんに、3つほどでまとめてみました。
つぶれない
「公務員は民間と違ってつぶれないからいいよね~」
耳にタコができるくらい言われてきましたが、たしかに私が公務員(国家の出先機関)をやっている時は、つぶれませんでした(笑)。
でもこれ笑い事じゃなく、同じ国の機関でも、私が公務員在職中にこんなことがあったのです。
- 国立大学に事務職として当時の文部省に入省した友人は、途中で独立行政法人化されたこともあり、同じ勤務先、仕事内容にもかかわらず身分上は公務員ではなくなっている。(私はここの面接試験で落とされましたけどねー)
- 郵政民営化以前の郵便局員は、郵政一般職採用試験という公務員試験で採用された公務員だった。(私も併願を考えました)
- 厚生労働省の外局であった社会保険庁は、年金記録問題により解体された。それにより新設された日本年金機構の職員は、公務員ではない。
国立大学も郵便局も、自分が入省したところよりもよさげだなぁなんて思っていたのですが、まさかまさかの展開でした。
こうなる時はあっという間で、組織内は当然のことながら相当すったもんだあったようです。(国立大学職員の友人談)
それでも、働く場があるだけ、民間企業からすれば恵まれているのだと思います。
私が就職支援の仕事をしている時に、ある相談者から「朝普通に出勤したら、社長からいきなり倒産と告げられて、その日のうちに職を失った。」なんて話を聞きましたから。
これからますます、何が起こってもおかしくない世の中になっていく気配がムンムン(←死語?)です。
ある程度の覚悟というのか準備をしておくと、落ち着いて次の行動に移せるのかもしれませんよね。(←自分にいってますよ)
クビにならない
解雇されないというのは、民間企業にはない何よりの特権(?)なのではないでしょうか。
多少成果が上がらなくても、多少ミスをしても、多少遅刻をしても(?)、よほどの悪さやおイタをしないかぎりクビにはできません。(よほどの悪さってことってどんなこと?とは聞かないでください)
自分の身が守れるのはうれしいのですが・・・
民間だったら当然クビになるでしょーぉ!この人―っ!
ていうような人(どんな人や?)も、もれなく守られますよね。(あくまで例え話です)
こんな職員に対して、「早く辞めてほしい」と念を飛ばす人がいるのかどうかは定かではありませんし、それが原因であることに科学的エビデンス!は今のところないようですが、そういう職員は、なんだかんだと自ら辞めていきました。
・・・はっ!それって、もしかして私のこと!?
念を飛ばされたのか?
そうなのかっ??
気づくの、おそっ(苦笑)。
食いっぱぐれない
これでもかというくらいざっくりな話になりますが、要は食いっぱぐれる確率が比較的低いということです。
これまで挙げたとおり・・・
- 給与は確実に支給される
- 解雇されない
生きていくことだけを考えれば、これで充分なのではないでしょうか。
今の世を生きていくのに、ほとんどの人にとってはどうしてもお金が必要になります。
それを安定して満たしてくれる公務員という身分は、大変魅力であり安心でもあるのです。
公務員は、そういった制度面では安定といえるのでしょう。
「公務員は安定」という思考が不安定かも!
上記に挙げたとおり、私も制度面での安定については異論はありません。
ただ、過去の自分に伝えたいことは、それだけで公務員を選ぶ思考や、その思考のままで公務員を続けていくことは逆に不安定だよ、ということです。
その理由を、主に在職中の自分のことを例にして挙げていきます。(ノンキャリ国家行政事務職に限るかもしれません)
疑問をもたなくなる?
公務員は、常に「上」からの命令・指示に従い、「法律」に基づいて仕事をしています。
- これは何のためにやるんだろう?
- これをすることでどんな効果、影響などがあるんだろう?
- これってなんかおかしくない?
最初のうちはそんな様々な疑問が湧いてきて、指示してきた人に質問したり、自分でいろいろ調べて考えることをしますが、時が経つにつれそんな機会はどんどん減っていきます。
それはなぜか。
- 質問しても納得できる返答がない(指示している上司自体がわかっていない)
- 質問するほど面倒くさいやつと思われる(つべこべいわずに素直にやれよ!と言われる)
- 考える時間もないほど業務に翻弄される(ここでこだわっていたら仕事が進まない)
- 何も考えずに仕事をこなした方が心身ともに楽(とにかくいわれたことだけやって早く仕事を終えたい)
疑問を持つたびにいちいち人に聞いたり調べたりすることは、時間的にも労力的にも大変厳しいですし、その辺をバランスよくやらないと、使い物にならないア○呼ばわりされてしまいます。
・・・そんなようなことから、思考停止となり、なにも疑問も持たなくなってしまいます。
そして、「馬車馬」にようになっていくのかもしれません。
この「馬車馬」という言葉は、TVドラマ「ドラゴン桜2」の第3話のセリフに出てきたものです。
実は、このドラマは観ていません。
東大とかエリートとか受験とか偏差値とか、そういうものはまったく興味がないので。
でも、あるYouTube番組で知る由となり、ちょっと心を動かされちゃったものです。
ご存知の方もいるのでしょうが、一部引用します。(注:長文です)
お前ら、今、世界がどういう状況かわかるか?未曽有の危機だ。
(中略)
かつての常識はもう通用しない。もう何が起きたって不思議じゃないんだ。
そうなった時、お前らが住んでいるこの国は、何が一番必要になってくるかわかるか?
金だ。税金だ。
国はな、お前らには馬鹿なままでいてほしいんだ。それが本音なんだ。
なんにも疑問をもたずに、なんにも知らずに調べないまま、ただひたすら制度に従い働き続け、金を払い続ける国民であってほしい。
それを別の言葉で言い換えるとなんだ?
(中略)
馬車馬だ。
国はお前らには、ただ黙々と馬車をひく馬車馬であってほしいんだ。
その方が都合がいいからな。
(中略)
どんなに努力しても、どんなに力を振り絞っても、本質を見抜く力がなければ、権力者と同じ土俵にすら立てないんだよ。
(中略)
誰かのせい、国のせい、時代のせい、他人を叩き批判して文句を言って何が変わる?
ルールをつくっている奴らはな、この状況がおいしいからこういう仕組みにしてるんだ。
(中略)
なぜ社会はこうなってるのか、誰がどんな意図でこの仕組みをつくったのか
本質を見抜き、自分なりの答えを出し力をつけろ。
その時初めて、馬車馬は人間になれる。
TBS日曜劇場「ドラゴン桜2」第3話 桜木健二のセリフを一部引用
この「ルールをつくっている奴ら」って、いわゆる国家のキャリア○僚とかも・・・?
そして、「馬車馬」が「○隷」に聞こえたのですが・・・!
ま、いいや(汗)
公務員の記事なのに、上記を引用するのは的外れだったのかもしれません。
公務員は、いわゆる頭のいい人が多いですから。
でも、私は元国家公務員といえども、ルールをつくる側ではなく、それを何も考えずに馬車馬の如く遂行する側だったし、紛れもなく「馬鹿」なので、このセリフに思わず「おおっ!?」と反応してしまったのです(笑)。
話を元に戻します。
公務員に限ったことではないのでしょうが、とかく旧態依然、前例踏襲、命令絶対、規則はいっぱい・・・の組織にいると、なにも疑問をもたずに、制度に従って黙々と仕事をするような環境に置かれやすくなります。
その思考のままでいると、それこそ「人間」として生きていくことはこれからさらに難しくなるのかもしれないし、それが不安定要素の一つではないのかなと思っています。
まあ、現状の環境が自分がいいと思うのであれば、それに越したことはないのですけどね。
公務員時代の私は、本当に「馬鹿」で「無知」でした。(今でもそうなんですけど、自覚しているだけマシ)
なので、当時の自分に対して、声を大にしていいたいです。
- たとえどんな組織にいても、疑問をもつことを忘れてはいけない
- 調べること、勉強することを忘れてはいけない
- 「おかしい」と思うことは「おかしい」と思っていいし、その感覚を忘れてはいけない
そして、おかしいと思うことには、ひっそりと服従しません(スルーします)よ、これからは(笑)。
当事者意識が低くなる?
公務員は制度面では、安定しています。
公務員だからつぶれない、公務員だからクビにならない、公務員だから大丈夫・・・
だからというわけではないですが、何をするにしても、「自分事」として捉える機会が少なくなるのではないのかな~なんて思っているのです。(あくまで私個人の経験に基づくものです)
ちょっと強引なつなげ方かもしれませんが、自分事として捉えない、すなわち当事者意識が低くなるのでは?ということです。
もちろん全員とはいっていませんし、ほんとに私個人だけかもですが(苦笑)、当事者意識がない人が自分の身に何か起こるとどうなるかといいますと・・・想定外のため相当わちゃわちゃします。
そして、誰かや何かに頼る(すがる)ようになります。自覚がないのでタチが悪いのですが(苦笑)。
例えば、今回のこの騒動においても、お国の偉い人だとか権力者だとか、著名な医者だとか有名YouTuberだとか、救世主だとか(?)、自分ではない誰かがそのうち何とかしてくれるのかもなんて思う人が、もしかしたら公務員に限らずいるのかもしれませんね。(しらんけど)
そんな感じで、自分では何も考えずに調べもせずに、その人たちの言うことを疑問ももたずにただ素直に従っているだけだと・・・
もし自分に不都合が生じた時に、その人たち(外部)のせいにしてしまうのです。(自分がそうでした)
自戒を込めていいますが、その思考だと、これから(人間として)生き抜くことはやはり難しくなるのかもしれません。
それが、不安定要素だと思うのです。
エラそうですいませんが、経験者としてひしひしと感じているのです。
だから私は、そういう影響力のある人たちやモノコトに対しては、あてにもしていないし全てを信用しているわけでもありません。
あ、別に全否定しているとか、批判しているわけではありませんので、誤解なきよう。
私が公務員を辞めた後に、気づいたことが2つあります。
- 当事者意識がなかったこと
- 自分の人生を生きてこなかったこと
なので、これからの人生は、自分の軸というのか核を持って生きていきたいし、そのためにはやはり、現実に起こったことを自分事として捉えていきたいです。
何かを選択する時にも、人や世間の考えや風潮に安易に流されないこと。
そして、いろいろな情報や知識を得ながらもそれらすべてを鵜呑みにはせず、自分なりに調べたり考えたり感じたりしながら、今の自分にとって何が最善かを取捨選択していくことです。
そうすることで、肚の座った生き方、後悔しない自分の人生を歩めるようになると思っています。
職務専念義務が仇になる?
可能性が低いと言われる公務員でも、先に挙げたとおり、いつ自分の組織が解体されたり、自分の身分が変わるのかはわかりません。
不安を煽るわけでは決してありませんが、私の在職中の時よりもずっと変化が大きいのは、火を見るよりも明らかです。
公務員は職務専念義務たるものがあるため、原則副業は禁止です。
そんなこのご時世で、公務員以外で収入源となる(その可能性がある)ものがないというのは、これこそ不安定要素なのではないでしょうか。
職務専念義務を否定しているわけでも、副業がいいといっているわけでもありませんが、選択肢が増えることで、不安定要素は軽減できると思います。
それなのに、それを得る機会がどうしても限られてしまうのが、かなしいかな公務員なのです。
ただ、他の収入源を得ることは現時点では難しくとも、ある程度の準備はできるのかなとは思います。
もし、私がまだ公務員であったなら、こんなことを自分に伝えたいです。
- 収入とは関係なく、好きなことややりたいことを突き詰めていく→思わぬところで仕事や人とつながれる可能性がある
- 今与えられた自分の仕事にプロ意識を持ち、創意工夫をする→例えば個人事業主の視点で(無理くりにでも)考えてみる
安定か不安定かの捉え方はその人次第
以上のとおり、公務員はたしかに安定はしていますが、不安定要素も存在すると私は思っています。
これをどう捉えるかは、その人それぞれの価値観、考え方によるのはいうまでもありません。
生きていくには「お金」が大事ですから、ものすごい贅沢な暮らしにこだわりがなければ、公務員はまさしく安定の職業です。
でも、このご時世で、公務員だってどうなるかわからないと危機感を抱いている方や、公務員を辞めたいと思っている方にとっては、不安定に思うのかもしれません。
今回、不安定要素を挙げてしまっていますが、不安や恐れ、心配によって行動することは、あまりよい結果を招かないことは経験しています。
なので、ネガティブやデメリットを踏まえ、最悪な状況も想定したうえで、まだ起きていない未来に必要以上に恐れや不安を抱かずに、できるかぎり機嫌よく「今」に集中して過ごしていきたいと思っている今日この頃です。
そのためにも、やはり自分の軸や核をもつことが、安定の強さになるのだと思います。
おわりに
安定、安泰といわれる公務員について、安定といわれる理由と不安定要素についてを、相変わらずの「エビデンスなし」の「稚拙な表現」で持論をぶっ放してみました(笑)。
公務員を続けていくにしても辞めるにしても、これからどう生きていけばいいのかと不安に駆られている人も少なくないと思います。
この記事は、残念ながらそれを解決できるものには到底なれないでしょうが、それでもほんのちょっとの気晴らしにでもなっていただけたのであれば、うれしいかぎりです。
話の筋が通らず、長文でまとまりのない内容になってしまいましたが・・・
ありがとうございました。