こんにちは。元公務員のもりこねです。
私がまだ20代の公務員(事務系)の頃、職場で「仕事ができる人だな」「頭がいいな」と思っていた先輩が何人かいました。
(決して学歴が高い人ばかり・・・というわけではありませんでした)
そんな先輩からの言葉は、20年以上経った今でも私の心に刺さり、自分の生き方におおいに影響を与えています。
著名人の名言もすばらしいですが、身近な人だからこそ、その一言で救われることもあります。
今回はそんな昔話ではありますが、今だからこそ通用する話なんじゃないかと思い、記事にしてみました。
20代で出会った仕事ができる先輩からの心に刺さる一言
仕事ができる先輩からの一言は、説教されたというわけでも、自分から教えを請うたわけでもなく、日常の何気ない瞬間に出てきた言葉でした。
そしてその先輩は、私が常日頃から親しくしている人だとか、大好きな人、尊敬している人というわけではありません。正直いいまして、どちらかというと少し苦手なタイプの方もいました。
そんな先輩方の一言は、次のとおりです。
- 「つねに疑問をもっていたい」
- 「手がかりさえつかんでおけばいい」
- 「自分なりの根拠を説明できればいい」
- 「だったら辞めちまえ!」
これだけだと、「なんのこっちゃ?」という感じでしょうから、これから一つずつ、エピソードを記していきます。
「つねに疑問をもっていたい」
「つねに疑問をもって仕事に関わりたい」
効率的に仕事をこなし、説明も簡潔で理路整然としている先輩の一言です。
「この仕事は何のためにするのか?」
「この仕事は何にどれくらい影響するのか?」
「そもそもこの仕事は必要なのか?」
・・・などなど、20代の私は、仕事自体をよくわかっていなかったということもあり、このような疑問すらもてない人でした。
また、与えられた仕事をただ素直にやればいいんじゃないの?とも思っていたので、この先輩の一言に違和感すら抱いていました。
「疑問をもつ」ということを、曲解していたのです(苦笑)。
そして、もうその頃にはすでに子どものような柔軟性はなくなり、かなり頭も心もカタくなっちゃっていたようです。
だからでしょうか。
何にも疑問を感じないゆえに、自分の頭で考えたり調べたりということをしないため、つねに人のいいなりであり人任せ、当事者意識もないいわゆる他人軸でした。(←自分で書いていても、情けなくなる・・・)
もちろん、疑問をもったことすべてを事細かく考えたり調べることに限界はあるでしょうが、つねに「疑問をもつ」という意識が必要だったと、今ひしひしと感じています。
この「疑問をもつ」を聞いたのは今から25年以上も前のことですが、今ほどこの言葉の重要性を骨の髄までに感じる時はありません。
この先輩の言葉を思い出したのは、まさにベストなタイミングでした。
「手がかりさえつかんでおけばいい」
私が担当していた業務は、仕事上必要な法律や通達があまりにも膨大なため、すべてを覚えるのはほぼ不可能といってもいいくらいです。(まれにいるかもしれませんが、私は出会ったことはありません)
「だから、この内容の根拠はこのあたりに書いてある・・・という具合に、どこに何かあるかというだいたいの手がかりさえつかんでおけば(覚えておけば)いいんじゃないのかな」
20代半ばでご一緒した先輩の言葉です。
私はこの先輩については、「仕事ができるし、頭のいい人だなぁ」と常々思っていました。
ただ、強面で恰幅がよく、特別愛想がいいわけでもない。年齢の割には落ち着いた方だったので(当時20代後半)、正直はじめは苦手で、その先輩と話をするときは少し緊張していたのです。
でもこの件により、先輩のような一を聞いて十を知る有能な人でもできないことがあるんだと安堵したとともに、これを機にとても親近感が湧き、自然に会話ができるようになりました。
そして、この先輩からは、効率よく仕事をするコツを、とてもわかりやすく教えてもらったのです。
物事の本質を見抜き、その中で大事なポイントをつかんで、それを人にわかりやすく伝えることができる・・・仕事ができるってこういう人のことをいうんだなと、先輩と出会ってわかりました。
「自分なりの根拠を説明できればいい」
「何かを決める時には、自分なりの根拠を持っていれば、何か問題が起こってもそれを説明できる。決断に悩んだり迷ったりした時には、もうそれでいいんじゃないのかなという思いでやっている。」
これも、私が20代の時に、クールで評判の先輩から聞いた言葉です。
なぜこんな話になったのかは覚えていないのですが、いつも自信あふれる(ように見える)その先輩が、少し苦笑いをしながらこんな話をしてくれたのでした。
先の先輩同様、こんなに優秀な人でも、迷ったり悩んだりするんだと驚いたと同時に、この人も普通の生身の人間なんだとほっとしました。
そして、とても大事なことを教えてくれました。
「自分で考えて決断し、その結果の責任をとる」という気概というのか意識をもって、つねに仕事をしているということです。
残念ながらこの先輩のもとで仕事をする機会がなかったのですが、きっと今頃は部下たちに「責任は自分がとるから、やりたいようにやれ」なんて言っているんじゃないかと、ひそかに妄想しています(笑)。
「だったら辞めちまえ!」
誤解のないよう先に申し上げますが、この話は決してパワハラネタではありませんので、ご安心ください(笑)。
20代の頃に、私の話をじっくり聞いてくれていた先輩が、もう我慢できんとばかりに私にこう言い放ちました。
「だったら辞めちまえ!」
先輩にここまで言わせてしまったのには、私に問題があります。
当時の私は、初めて担当した仕事が思うようにいかず、悩む日々を過ごしていました。
ちょっとしたミスでもすぐに落ち込み、私にはこの仕事は向いていない、もう辞めたい・・・
そんなことを、先輩にグチグチぼやいていたのです。
そんな時の、先輩からの一撃必殺の言葉でした。
「だったら辞めちまえ!」(←大事なことなので?もう一度書きました)
この先輩のおかげで、私は目が覚めました。
自分は何も考えず、勉強しようともせずに、
「私はもともとの頭が悪いからだめなんですぅ〜」
「私は何をやってもうまくいかない能力のないかわいそうな人なんですぅ〜」
と同情を求めていただけ。
いい歳こいためんどくさい甘えん坊将軍(←当時この言葉が私の周りでは流行っていました)だったのです。
最低最悪なヤツですよね。そりゃ、先輩もイライラムカムカするのは当然です。
その先輩の一言がきっかけで、
「もう少し仕事を続けてみよう」
「本気で仕事に向き合ってみよう」
そんな気持ちになれたのです。
この話、「それって昭和じゃない?」と思われるのかもしれません。
今だと下手をすれば、パワハラだと訴えられちゃう可能性もあるかもです。(だから本音が言えないご時世になっちゃってる感じが・・・)
でも、当時と今とでは世相は違えども、こんなふうにはっきり言ってくれる人が職場にいたということだけでも、私は恵まれていたと思いますし、その先輩に心から感謝しています。
おわりに
公務員時代の心に刺さった忘れられない先輩からの一言ですが、かなり個人的な話なので一般受けは難しいだろうなと思いつつ、4つ挙げてみました。
珠玉の言葉をくれた先輩方が、今どこでどうしているのかは、実はまったくわかりません。
でもきっと、激動の今の世でも、自分軸でたくましく生きていらっしゃるのではと推測しています。
こんな素晴らしい先輩方が公務の職場にいたにもかかわらず、在職中にはそのよさに気づかず、辞めた今、やっとそれに気づいたというのは、失ってみて初めてわかる的な感じです。
身近な人から、学べることや気づかせてもらえることが山ほどあったのですね。
感謝の思いを、この場で伝えたいです。
先輩方とここまで読んでくださった方に向けて・・・
ありがとうございました。