こんにちは。元公務員のもりこねです。
仕事でミスばかり・・・
もう辞めたい・・・
そんなお悩みの中にいる公務員の方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
行政の世界は「ミス」に対してはとても敏感ですし、完璧に業務をこなそうと努める職員が多いので、ミスをする自分が許せないということもあるのでしょう。
事務系公務員として20年以上勤務してきた私も、精一杯やっているにもかかわらず星の数ほどの大小さまざまなミスをしでかしていました。
そして、ミスをするたびに、「自分はこの仕事に向いていない」と自己嫌悪に陥る日々だったのです。
なので、仕事でミスをして悩む気持ちはよーくわかりますし、一生懸命やって起こったミスであれば、なおさら落ち込むでしょう。
ただ、人の生命に直接関わらないミスであることを前提とすれば、それだけで公務員を辞めるのはそれこそもったいないことですし、いつまでも悩んだり落ち込んだりして深刻になる必要もないということが、無駄に長~い行政経験により言えるのです。
そんなわけで前置きが長くなりましたが、今回はミスに対してそんなに深刻にならなくてもいいといえる理由をお伝えしていきます。
それとともに、ミスのメリットやミスを減らすために私がしてきた対策についても、参考までに挙げてみます。
- 仕事でミスが多い自分は、公務員に向いていないんじゃないか?
- ミスを減らす方法を知りたい
はじめに断っておきますが、あくまでも私の独自見解なので、偏りや誤りがあることは承知しています。(誤りを前提で書くつもりはありませんが)
なので、こんなふうに考えてる人もいるんだなと参考程度にとどめておいていただき、どうか気楽に読んでくださいませ。
ミスに対して深刻にならなくてもいい3つの理由
とかくミスに対しては、過敏に反応する公務の職場が多いのは事実でしょう。
ミスしちゃいけない雰囲気もあるでしょうし、なによりミスする自分が許せない!なんて思っている人もいるのかもしれません。
そんな中でも、ミスに対してそんなに深刻にならなくてもいいと言えちゃう理由を挙げていきます。
人間だから誰でも間違いはある
私はミスするたびに、いつもこう思うようにしていました。
だって・・・人間だもの(by相田みつお ?)
この名言の主である相田みつおさんは、こんなふうに使われることは本望ではなかったのかもしれません。(みつおさん、ごめんなさい・・・)
もちろん、こんなふうに思うのは、ひとしきり凹んだり反省した後のことなんですが、この言葉に私はずいぶん救われました。
だって、機械じゃあるまいし、生身の人間だから、間違えることだってあるじゃないですか。(いや、機械だって誤作動を起こすことがあります)
自分は絶対に間違えないし失敗しないなんて、私は口が裂けても言えないです。
どんなに誠意をもって取り組んだり正確さに努めていたとしても、なぜか間違ってしまったり過ちを犯してしまったということは、誰でもあると思うのです。
そんな完璧じゃない人間だからこそ、味わい深くて面白いと思うのは、私だけでしょうか。
そして、だから人間をやっているのではないでしょうか。(ちょっと言ってる意味が自分でもわからなくなってきた)
私が所属していた職場では、既存の業務を「適正に」「迅速に」「粛々と」こなしていくことが求められ、ミスやクレームは許されない雰囲気がありました。
とはいっても、実際は私に限らず多くの職員は大なり小なりなんらかのミスを犯しています。
そういうふうに見えないのは、しれっとしているだけです(笑)。
ある日、とても優秀な職員が「やっちまったー!」と頭を抱えている姿を見た時には、正直ほっとしました。こんな完璧に見える人でもミスをする、生身の人間なんだと(笑)。
だから、自分のミスに対して、そんなに気にしなくても深刻にならなくてもいいと言えてしまうのです。
ミスをしても辞めさせられない
私がこれまで多くのミスをしてきたことは、最初からしつこいほど申し上げておりますが、それで仕事を辞めさせらることはありませんでした。
公務員は、仕事上のミスでクビ(懲戒免職)になることは、まずありません。
なかには、依願退職ということで退職するように仕向けられて最後は自ら退職したという職員がいるにはいましたが、そういう職員はミスだけが要因ではなく、その他明らかな勤務怠等があったからです。
ミスだけで辞めさせられるということはまずないというところが、公務員のメリットともいえるでしょう。
だったら、いいじゃないですか。
ダメですかね?
私は、いいと思いますよ。
必ずしも評価が下がったり出世にひびくわけではない
とはいっても、こんなふうに心配される方もいらっしゃるのかな、なんて思います。
ミスをしてしまった!
評価が下がってしまうかも・・・
出世にひびいちゃうかも・・・
正確さが大重視の公務の職場では、ミスの大きさや質もあるのでしょうが、ミスをする職員に対しては、厳しい目を向けることも少なくないでしょう。
でも、実は周りが一番見ているのは、ミスそのものというよりは、ミスした後の対応です。
これの良し悪しで、評価が上がったり下がったり、出世したりしなかったり・・・なんてこともあるのかもしれません。
これについては、この後の「ミスのメリット」で詳しくお伝えしていきますが、ミスをしたことをいつまでも引きずっていたり深刻になっていても、ろくなことがないことだけはたしかです。
やっちまったことはしょうがない、泣いても怒っても過去は変えられません。
だったら、できるだけ早く気持ちを切り替えて、その時にできることを、冷静に誠意をもって対応することです。
それにより、挽回できる可能性が十分にあるのです。
ミスにもメリットがある
ミスをしたくて仕方がないという人を聞いたことはありませんし、ミスというのはどうしてもネガティブに捉えられがちです。
でも、ミスにもメリットがあると私は思っていますので、それを挙げていきます
自分のミス体験が他人を救えるかも!
ブログを書き始めてからの私の口癖は・・・
自分のミスは、美味しいネタになるっ
ということです。
そして、それを人に伝えることで、他人のミスを未然に防ぐ手助けができるかもしれないのです。
さらに、「ミスをするのは自分だけじゃないんだ」と救われる気持ちになってもらえるのかもしれません。
自分の痛いミステイクが、他人にとってはとてつもない有益情報になり得るかもしれないなんて、考えただけでもワクワクしませんか?(・・・ってちょっと変態的ですよね?)
ミスで評価が上がる?!
ミスはないに越したことはないですが、ミスの後の対応によって評価が上がることもあります。
ミスをすると、人間の本性が浮き彫りになります。
例えば、こんな方は誰が見てもとても残念に思うでしょう。
- とにかくパニくる
- 自分の非を認めず、ひどい時には人にせいにする
- 投げやりになる
- 愚痴や文句を言う
- 処理を後回しにする
- 固まって石になる・・・
まだまだほかにもあるのでしょうが、実は私自身が、これらのいくつかのことをやっちまった黒歴史がありますし、私以外でもそんな態度をする職員を何人か見たことがあります。
こういう職員は、ミスそのものは実はたいしたことがなかったとしても、評価が下がっていったことは言うまでもありません。
逆に、ミスをした後の対応により評価が上がる職員もいました。
それがどんな人かはおおよそ察しはつくでしょうが、一応一部を挙げてみます。
- 冷静に落ち着いて対応している(そのように努めている)
- 自分の過ちを素直に認める
- 着手が迅速である
- 誠意が感じられる
こういった方は、メンタルが強いというよりは、気持ちの切り替えが早いのだと思います。
ミスをきっかけに評価が上がるなんて虫のいい話のようですが、実際にちょいちょいミスをする職員でも、評価の高い人がいました。
その職員の日頃の仕事ぶりやキャラクターが大きいということはありますが、ミスした後の対応の機敏さや誠実さに、誰もがそのミスを許してしまっていたのです。
まあ、評価されることがすべてではないんですけどねー。
ミスを減らす対策
そうはいっても、できることならミスはしたくないものです。
ここでは、ミスを減らすために自分がやってきたことを挙げていきます。
大前提として仕事を覚える
これは言うまでもないことでしょうが、仕事を覚える、スキルアップをすれば、ミスは減るでしょう。
初めて担当した業務では、たしかに最初のうちはミスが多かったのですが、場数を踏んでどんどん業務を身に付けていくと、いつの間にかミスが減っていることに気づきます。
ミスをすると心が折れますが、ここはひとつ踏ん張りどころかもしれません。
忙しい時ほど「落ち着いて」を意識
忙しい時や慌てている時に、ミスが起きやすくなります。
そういう時こそ、気持ちを落ち着かせることで、ミスは防げると思っています。
そして、ミスの連鎖を起こさせないためにも、冷静になることは必須でしょう。
気持ちを落ち着かせるために私が取った方法は、コレです。
- 忙しくてイライラしがちだったり、少し疲れを感じたら、いったん席を外し、人のいない場所で深呼吸などして短時間でも休憩する
- アロマテラピー好きなので、自作のアロマスプレーを吹きかけ、香りでリラックスする
どちらも、それほど時間をとられるわけではないのに効果抜群でした。
それができなくとも、繰り返しにはなりますが、忙しい時ほど「落ち着いて」と意識をすることで、ミスは減らせます。
ミスを人に話してしまう
これは私独自のちょっと変わった方法なのかもしれませんが、私は自分のミスを人に話してしまうことで、ミスを減らすことができたと思っています。
職場以外の人に話す場合は、もちろん秘密漏洩にならないように厳重注意しています。
これがなぜミスを減らす対策になるのかといいますと・・・
- 人に話をすることで、自分の言動を振り返り、客観的に自分を見ることができることから、自分のミスの傾向がつかめ、再発防止につながる
- 他人からの思わぬアドバイスやヒントをもらえる(ただし、最初から期待はしない)
- 自分の中に溜まっているモヤモヤを吐き出すことで、メンタルを安定させることができる
あ、モヤモヤの毒出しについては、相手があることなので、吐き出し方には気をつけましょう!ですけどね。
ミスすることを考えない
絶対にミスしちゃいけないとミスにフォーカスしてしまうと、逆にミスをしてしまうという不思議なことが、実際に私の身にも起こっています。
なので、ミスをすることを考えないというのも、一つあるのかと思います。
あと、これは賛否両論(?)なのでしょうが、人間なんだからミスをするのは当たり前だとばかりに開き直ってしまうというのはどうでしょうか。
かえって、ダイナミックでドラマティックな(?)いい仕事ができるのかもしれません。
私の経験談としては、大勢の人の前で話す機会では、別に失敗してもいいやと開き直った時の方が意外にミスなくうまくいっていたと記憶しています。
もしかしたら公務員が合わないのかも?
ここまできて、こんなふうに思う方もいらっしゃるのかもしれません。
いや、自分では十分気をつけているのに、尋常じゃないくらいミスが多いんです。
毎日ミスして叱られてばかりで、メンタル的にきついです・・・
ミスの数や度合いについては、人によって捉え方が違うのでなんともいえないところもありますが、尋常ではないと言うほどであれば、もしかしたら、公務員が合わないというのも、一つあるのかもしれません。
事務系公務員は、誰でもできる仕事のように思われがちですが、実は合う合わないが如実に表れる職業であると私は思っています。
なので、「公務員の仕事ですら合わない自分はおかしい」とか「自分なんてダメな奴だ」なんて思う必要はありません。
どんな人が公務員に向くのか向かないのかについては、多くの公務員ブロガーさんの記事により有益情報が得られますので、そちらにお任せします。
もし、公務員が合わなくて仕方がないということであれば、そこで人生の大半を過ごすなんてこんな辛いことはありませんよね。
すると、必然的に、退職や転職・起業という道を考えるのでしょう。
もし仮に、私がこのことで相談を受けたとしたら、転職・起業であれば、在職中にその「準備」をしてみることをお勧めします。
辞める辞めないに関わらず、準備をするだけでも心持ちが変わったり自己分析もできるので、やっておいて損はないと思います。
退職については、メンタル不調であれば、まずは休職することをお勧めします。
でも、ある程度の生活のアテがあるのであれば、思い切って退職することもアリだと思いますが、あくまでも自己責任でお願いしますね(笑)。
大切なのは自分の心と身体が健やかであることですので、今は自分のことを一番に考えていいと思います。
大きなお世話と思いつつ、ついつい書いてしまいました。
おわりに:ミスをする自分をゆるす
ミスばかりで辞めたいと悩む公務員の方に向けて、ミスばかりの元公務員が「そんなに深刻にならなくてもいいですよ」ということをお伝えしたく、この記事を書きました。
ミスはないに越したことはないですが、万が一ミスをしたとしても、それにより得られるものがあることは、これまでにお伝えしたとおりです。
そして、普段から真摯な姿勢で業務に取り組んでいるのであれば、ミスした後の対応いかんでは評価がガタ落ちということは、まずないのではないでしょうか。
最後に、今回私が一番伝えたかったことは、「ミスをする自分をゆるす」ということです。
まあ、これが実のところ一番の難関なのかもしれませんけどね。
ありがとうございました。