今や、多くの日本人が一度は耳にしたことがあるであろう「アロマテラピー」という言葉。
私もこれまで、このブログ上でアロマテラピーの関連の記事をいくつか挙げてきました。
しかしながら、「そもそもアロマテラピーって何?」「その意味や定義は?」というような超基本的なことを記事にしてこなかったことに、はたと気がついたのです。
そこで、今さらながら感はありますが、ここで基本に立ち返り、「アロマテラピーって何?」「アロマの魅力は?」「アロマにまつわる素朴な疑問」をまとめてみることにしました。
- 365日アロマ生活実践中!AEAJアロマセラピスト&インストラクター
- 好きな精油は昔から揺るぎなくラベンダーだが、最近は老化肌対策としてフランキンセンスが手放せない
知識や経験、情報をもとにしつつも、結局は私の個人的見解でまとめております。よって、参考程度に留めていただき、最終的にはご自身で判断していただきたくお願いいたします。
「アロマテラピーとは何か?」を言語化してみた
アロマテラピーってなんとなくわかるんだけど、いざ言葉で説明するとなると意外に難しく感じませんか。
ここでは、感覚的でふわっとしがちなアロマの話を、できるかぎりわかりやすく言語化することを目指してまとめてみます。
植物の香り成分である精油を使った「芳香療法」
アロマテラピーとは何かについては、人や国、時代によって解釈が異なるので、諸説あるようですが、現代の日本に限っていえば、だいたい次のような表現であれば、大きく外れてはいないと思います。
- アロマは芳香、テラピーは療法のことであり、この二つを組み合わせた造語である
- アロマテラピーとは、植物が持っている香りの成分(精油)を使った自然療法である
- 心身の不調緩和やその予防、美と健康の維持等に役立てる
この「植物が持っている香りの成分」というのは、一般的には、植物から抽出された「精油(エッセンシャルオイル)」のことをいいます。
「精油」って、植物の香り成分がぎゅっと凝縮されたものなんですね〜
しかしながら、香りを嗅いで、リラックスしたりリフレッシュするというイメージが、日本ではかなり先行して浸透しています。
アロマテラピーがふわっとして曖昧だと捉えられがちなのは、「感覚的」であるからでしょう。
でもですね。
よくよく考えてみたら、昔から「薬草」という言葉があるとおり、植物には薬理効果が期待できるものがたくさん存在しているのです。
そのお力をいただくことで、心だけでなく身体的にも負担なく緩やかにアプローチできるのが、アロマテラピーの優れたところなのです。
植物たちに備わっている有効成分を、利用させてもらうということなんですね!
植物そのものが持っている芳香物質や薬理効果を利用して、心身の不調緩和やその予防、美容と健康の維持等に役立てていくものが、アロマテラピーなのだと私は理解しています。
AEAJの定義では「精油」を使って美と健康に役立てていく自然療法
「アロマテラピー検定」でお馴染みの「AEAJ(公益社団法人日本アロマ環境協会)」においても、アロマテラピーを次のように定義しています。
アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。
アロマテラピーの目的
出典元:AEAJホームページ「アロマテラピーとは」より引用
- 心と身体のリラックスやリフレッシュを促す
- 心と身体の健康を保ち、豊かな毎日を過ごす
- 心と身体のバランスを整え、本来の美しさを引き出す
「自然療法」とは、人にもともと備わっている自然治癒力(自分で治そうとする力)を高めることで、健康の維持や増進を図る療法のことです。
ストレスなどで、この自然治癒力が弱まると、心身に不調があらわれやすくなります。
病気になる前に感じる不調を改善して、健康を取り戻すことも、アロマテラピーの目的の一つでもあるのです。
アロマテラピーは、予防という観点もあるんですね!
アロマテラピーで使う精油の香りは、鼻から脳へというルートと、皮膚や粘膜から血液循環され全身に巡るルートでもって、心や身体に働きかけるのです。
ということは、自律神経とか免疫系、内分泌系などにも影響を及ぼすということなんですね!
ただし、実際に病気や怪我になった際は、それに適した医療機関や専門家に相談することをお勧めしますよ。
好きな香りで、心身のリラクセーションやリフレッシュをしたり、心身の健康維持に役立てたり、本来の美しさをを引き出すこと、それがアロマテラピーなのです。
要は「自分の心身がご機嫌になるツール」
・・・と、まあいろいろとカタイ(?)ことをいってきましたが、もうちょっとざっくばらんに表現すると、私はアロマテラピーのことをこんなふうに捉えています。(注:あくまで個人の感想)
心と身体がご機嫌になるツール
自分が好きな香りや心地いいと思える香りに包まれると、幸せでご機嫌な気分になりませんか。
あ〜すごくいい香り♪なんだ元気になるわ〜
この香りで、ゆっくり眠れそうだわ
かなり乱暴な表現になってしまうかもしれませんが、ご機嫌になることそのものが、ストレス緩和や美容と健康につながっていくと私は考えているのです。
そのお役目を担っているツールは他にもあるのでしょうが、アロマテラピーもその一つであるといっても過言ではないでしょう。
意外と奥が深いアロマテラピーの魅力
リラックスやリフレッシュのイメージを持たれているアロマテラピーではありますが、アロマテラピーの魅力はそれだけでにとどまりません。
アロマテラピーは、意外に奥が深いということを、ここで一例として挙げていきます。
記憶が呼び覚まされたり直感が降りたり?
香りを嗅いだ時に、そんなふうに感じた時はありませんか。
「この香り、なんか懐かしい・・・」
私は、香りと記憶には、密接な関係があると思っています。
もっといってしまえば、直感にも関わってくるのではないかとも。
それは、なぜでしょう。
ご存知の方も多いとは思いますが、嗅覚というのは、脳の中の大脳辺縁系にダイレクトに伝わるからです。
その大脳辺縁系は、脳の原始的な部分、すなわち感情や記憶、直感、性欲などのいわゆる本能的な部分といわれています。
ゆえに、香りを嗅ぐと、記憶が呼び覚まされたり、直感が降りてきたり・・・なんていうことが起こる得るのです。(ただし、個人の体験であり保証はいたしません〜)
毎年秋になると、「金木犀」の香りがあちらこちらからしてきます。
精油ではなく、まさに、生の木(という表現もおかしいかもですが)の香りなのですが、私はこの香りを嗅ぐたびに、子供の頃に読んだ少女漫画に登場した「金木犀」にまつわる話を思い出します。
そして、その頃を懐かしんで、そのまま小学生の頃の記憶を蘇らせてしまうのです。
実は私は、アロマテラピーとは、「精油」を使うに限ったことではないと思っています。
先の金木犀の例のように、花や木、草など植物そのものの香りに触れることで、心身に良い影響を与えるのであれば、それも広い意味でアロマテラピーといえるのではないかというのが、私の持論なのです。
自分の感覚に敏感になる
先にも触れましたが、大脳辺縁系に直に伝わるということは、自分の好きなものや嫌いなもの、快・不快といった反応にも敏感になります。
その日の気分や体調によっても影響を受けるので、いつもは好きな香りなのに、今日はいい感じがしなということもありますし、その逆もあるのです。
年代や性別、環境によっても香りの好みや感じ方は違うでしょう。
なので、「多くの人はこの香りを好きだといっているのに、それが好きではない自分はどこかおかしいのではないか?」なんて思う必要は、まったくもってないといえるのです。
「自分の感覚に敏感になる」
これは、自分というオリジナリティや自分の本心、本音に気づくきっかけとなる、とても大切なことだと思います。
他人からどう思われているかとか他人との比較をする時間があるのであれば、自分の心や身体に目を向ける時間に使った方が、これからの時代を生き抜くためには、より有効かと思います。
今、「自分らしく生きていきたい」「自分の好きを大事にして生きていきたい」「自分の心に正直に生きていきたい」と、思う人が急増しています。
「癒し」とともに、こういったニーズにも、アロマテラピーはこたえられる力を秘めていると思っています。
そんなアロマテラピーの必要性や可能性は「無限大!」だと感じるのは、私だけではないでしょう。
精油をブレンドすることで新たな香りをクリエイトできる
最後に、とっておきのアロマテラピーの魅力をお届けしてみます。
二つ以上の精油を、「ブレンド」して香りを楽しむ方法です。
もちろん、一つの精油だけでも十分楽しめるのですが、それとはまた違った香りに変化することがあり、香りの新発見ができること請け合いです。
私の例を挙げますと、一番苦手な「イランイラン」という精油に、シャキッとした「レモングラス」の精油とブレンドしたところ、甘さと爽やかさがうまくバランスをとってくれて、心地よい香りを楽しむことができたという経験があります。(注:イランイランは官能的で魅力あふれる香りです。香りには好き嫌いがあるだけですので、誤解なきよう)
それを考えると、精油の組み合わせによっても、「オリジナルな香り」が作れてしまうという面白さがあるのです。
AEAJでは、「アロマブレンドデザイナー」という資格がありますので、ご興味があれば、勉強されても面白いと思います。
付録:アロマテラピーの素朴な疑問アレコレ
ここでは、アロマテラピーにまつわる素朴な疑問について、3点挙げてみたいと思います。
ただし、諸説ありますので、自己判断でよろしくお願いします。
アロマがひろまるきっかけは?
アロマテラピーが、今のように日本にひろまるきっかけとなったのは、1995年の「阪神淡路大震災」だといわれています。(注:まさに諸説あるかも〜)
この話は、数年前、アロマと心のつながりを専門に勉強されていらっしゃるある先生から教えていただいたものです。
この大きな震災をきっかけに、心のケアが着目され、「癒し」という言葉が使われるようになったことで、アロマテラピーが幅広く一般に浸透したといわれています。
この話を教えていただいた時に、「なるほど!」と合点がいきました。
それは、私が友人から「アロマポット」を誕生日にプレゼントされたのも、この震災のちょうどその1年後くらいだったことを思い出したからです。
それ以降のアロマテラピーの普及には目覚ましいものがあったことは、今さら私がいうまでもないことでしょう。
アロマテラピーとアロマセラピーの違いは?
アロマテラピーとアロマセラピーに違いがあるのかということでは、どちらも違いはなく同じ意味です。
テラピーはフランス語読みであり、セラピーは英語読みをしたものを、各々日本語で表記したものということです。
ただ、日本において、精油は薬ではなく雑貨扱いです。ゆえに、精油を使って治療することは違法となってしまいます。
セラピーというと医療行為と誤解されかねないことから、テラピーが普及したのではないかといわれています。(やはり諸説あるかもです)
香りと匂いの言葉はどう使いわけるの?
嗅覚で感じられることを、「匂い」と表現するのが一般的なのでしょう。(なかには「臭い」と表現することもあるようですが、今回ここでは必要ないと思いますので、話題にはしません)
でも私は、アロマテラピーを話題にする際は、「匂い」ではなく「香り」と表現しています。
それはなぜかといいますと、アロマスクールに通っている際に先生からこんなことを教えていただいたからです。
「匂いは、心地よいとか悪いとかにかかわらず嗅覚で感じ取れるものすべてを指す。でも、香りは心地よく感じられるものだけなので、アロマテラピーでは香りと表現したい。」
その時もなるほどと納得はしたものの、これについてもくどいようですが諸説あると私は思っています。
心地よいとか悪いとかいう感覚は人ぞれぞれ個人差があり、アロマテラピーで取り扱う精油すべてが、100人が100人「心地よい」と感じるかは疑問だからです、
それでも私個人としては、どんな精油に対しても「香り」と表現することをやめるつもりはありません。
それは、植物に対する感謝と尊敬の気持ちからなのです。
まとめ
感覚的でふわっと曖昧なアロマテラピーについて、可能なかぎり言葉で表現してみました。
最後に、まとめです。
- アロマテラピーとは、植物の香り成分である精油を用いた自然療法であり、心身をご機嫌にするツールの一つである
- 私が体験したアロマテラピーの魅力とは、記憶や直感と関わっていること、自分の感性に敏感になれること、精油をブレンドすることで新たな香りをクリエイトできることである
今回は、アロマテラピーのほんのさわりの部分でしたが、このような内容でも、少しでも何かを感じたり、お役に立てていただけることがあれば幸いです。
今後は、精油について詳しく記事にしていきたいと画策してますので、またぜひ覗きに来てくださいませ。
ありがとうございました。