こんにちは。もりこねです。
新年度が始まったばかりでズレてる感はありますが、今回は「就職面接のマナー」について、以前就職支援セミナーを受講した際に感じた「違和感」を語っていきます。
私は、就職面接においてマナーは大切だと思っています。
ただ、あまりにもガチガチの「マナーありき」になってしまうと、マナーの本質である「思いやりの気持ち」とはどんどんかけ離れてしまうのではないのか?とふと疑問を感じたのです。
細かいマナー云々にとらわれるよりも、相手を不快にさせない思いやりの心で面接に臨む方が、面接官には伝わやすいのではと思ったしだいです。
私は一応、過去に就職支援スタッフとして、転職者の相談や面接対策セミナーの講師をしておりましたので、その経験や観点から持論を展開していきます。
ちなみに、受講した就職支援セミナーや講師につきましては、大変わかりやすい説明で多くの学びを得られたことから、とても満足していますし感謝もしています。
それゆえに、「マナー」の違和感が際立ってしまったのかもしれません。
また、これからお伝えすることは、あくまで「私個人の考え」ですので、ご了承くださいね。
就職面接のマナーで違和感を覚えた2つのこと

就職面接におけるマナーはとても大事であり、特に転職者については、ビジネスマナーはできて当たり前と見られてしまいます。
さらに、「人は見た目が9割」のメラビアンの法則により、マナーも含めた第一印象が採用の決め手ともなり得るものです。
ただ、私にとっては「そこまで気を遣う?」と思ったマナーがありましたので、それをご紹介します。
入室時のノックは3回
講師によると、面接室に入る際に「ノックは3回」と決まっているそうです。
国際標準マナーらしいです。
※ただ、その後私が調べたところ、正しい回数は4回だとか?プロトコールマナーという国際儀礼があるけどノックの回数まではないとかナントカ??・・・で、いまいち根拠がつかめませんでした(汗)。
「ノック2回はトイレだから、ダメ!ぜったい!!」とけっこうな勢いで言われていました。
そういわれると、そうしなきゃなぁ・・・という気持ちにはなるのですが、なんだか少しモヤっとしてしまったのです。(こんなちっちゃいことスルーすればいいのですが)

というのは、私が実際に就職支援スタッフの採用面接を受けた2年前には、ノック2回で採用されました。(就職支援スタッフの採用面接ですら、ですよ)
そして、企業の人事担当者からも「2回だろうが3回だろうがどっちでもいい」「いちいちそこまで気にしていない」という声もあるそうです。
ただ、この「ノック3回説」を聞いてしまうと、もうそうしなければいけない思いになってしまいます。(だから今、この記事を書いているのかもですが・・・)
ノック3回が自然にできればベストでしょうが、とらわれ過ぎてしまうと本来の自分を面接時に発揮できなくなる可能性があります。
ただでさえ緊張しますからね。ぎこちなくもなりますし、3回がすっとんで5回、6回と連打してしまうかもです。(嫌がらせか?)
もう、いいじゃないですか。
そのマナーが正しいか正しくないかというよりも、心を込めて丁寧にノックすることだけを心掛けた方が、面接官にはよっぽど伝わると思います。
マナーの本質は「相手を不快にさせない気遣い」「思いやりの気持ち」なんですから。
たしかに、面接官の中には、「ノック3回できないのは失礼なやつ!」「うちの会社にはそぐわんマナー違反者だ!」という人がいないとも限りません。
ある意味、「運」です。
でも、もし「それだけ」が原因で不採用となれば、私はそんな会社で働かなくてよかったと思っちゃいますけどねー(笑)。
お辞儀の角度
お辞儀の種類、お辞儀の角度は、ご存知の方も多いと思います。
就職支援セミナーでは、受講生全員が立ち上がって、「失礼いたします」とか「よろしくお願いいたします」と声を出しながら、お辞儀の練習をしました。

左から・・・
分離礼:立ち姿をとってから、「失礼します」「よろしくお願いします」などのあいさつをする。
会釈15度:面接の入室や着席などの際に使う。
敬礼(普通礼)30度:面接では、面接開始時の「よろしくお願いします」や面接終了時の「ありがとうございました」などのあいさつで使う
最敬礼(丁寧礼)45度:謝罪などで使うので、面接では通常は使うことはない。
練習すること自体はいいのです。
声を出したり、身体を動かすことができたのですから。
ただ、お辞儀の種類、お辞儀の角度については、私は「わかるんだけど・・・わかんない!」という感覚です(笑)。
実は、はっきり言ってしまうと、自分が面接を受ける際には意識したことはありません。
そして、就職支援スタッフをしている時にも、要所要所であいさつやお辞儀をすること以外は、種類や角度までは伝えてはいませんでした。
これについての私の持論は、「そんなにこだわらなくてもいい」ということです。
それにとらわれて他のことをおざなりにするのは、なんだかもったいない気がします。
なので、前述したことと同じになりますが、「思いやりの気持ち」を持って面接に臨むことだけを私は意識していました。
その方が、自然にあいさつもできるでしょうし、相手の心に伝わるお辞儀もできます。
そして、角度云々を覚える時間があれば、自己分析や応募書類作成に時間を費やした方がよっぽどいいと思います。
余裕があれば、面接のシミュレーションの際に角度をちょっと意識しながらお辞儀をすれば、自然と身につくようになるかもしれませんけどね。私はしませんけど(笑)。
そもそもマナーって?

これを機に、あらためてマナーについて考えてみましたので、まとめたことをお伝えします。
マナーの定義
30年以上前に入手した我が家にある「常用国語辞典」には、マナーをこう定義しています。
マナー(manner)
作法。行儀作法。態度。
「常用国語辞典」文学博士中田武司編 高橋書店より
「たちふるまい」や「様子」・・・などということでしょう。
これは、人からどう自分は見えるのか、という人と人との関わりの中から生じるものなのかと、私は勝手に解釈しました。
国や時代によっても変わる
上記のように解釈した場合に、マナーというのは、国や地域、時代によっても変わる可能性があるということです。
といいますが、事実ガンガン変わっています。
例えばビジネスマナーとして、以前は職場への連絡は、携帯電話にメール機能があったとしても、必ず「電話」をするのがマナーでした。
しかし今は、メールやラインでの連絡が、マナー違反ではなく普通になっています。(逆に便利!)
もう少し時代を遡ってみますと、戦国時代の「立て膝座り」は、今だと「お行儀が悪い」になってしまっています。
マナーは思いやる気持ちから湧き出るものかと
マナーに基準を設けたとしても、国や時代によってコロコロ変わりますし、同じ国や時代であっても、「人」や「状況」によってとらえ方は違ってくる場合もあるのです。
今は特に変化変容のご時世。
そんな時代に生まれてしまった私が、はたして拠り所とするものは何かと聞かれれば、それはやはり「思いやりの気持ち」と答えると思います。
そしてそこから湧き出てくる自然なたちふるまい、態度、行動が、マナーにつながるのかと思う次第でございます。
マナーに関する名言

最後に、マナーに関する名言を二つほどお伝えします。
「岸辺露伴」の名言
今回、就職面接マナーに対する違和感を解消させたのは、この「岸辺露伴」を主役とするTVドラマでした。
「岸辺露伴は動かない」
2020年12月にNHKにて、高橋一生さん主演で3夜連続で放送されたドラマです。
その中の第一話「富豪村」でのマナーに関するセリフに、スカッとしました。
詳しいストーリーについては、たくさんのブロガーさんが記事にしていますのでそちらにお任せするとします。
ここでは、「マナーは正しいか正しくないか」を判断基準としている相手に対して、岸辺露伴が放った一言をご紹介します。
マナーの本質とは相手を不快にさせない思いやる気持ちにある
NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」より岸辺露伴のセリフ
これは、私がこれまで述べてきた言葉と同じなのですが、ここからパクらせていただきました(笑)。
言い訳しますと、今の私にはしっくりきた言葉なので、染みついてしまったのです。
とても腑に落ちました。
そしてもう一言、「岸辺露伴」は言い放ちます。
最大のマナー違反はマナー違反を指摘すること
NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」より岸辺露伴のセリフ
・・・なんていうのかこの言葉、「大人だなぁ」と思いました。(語彙力が足りなくて・・・)
そして、高橋一生さんは、やっぱり「かっこいいなぁ」と思いました。(ただのファンです・・・)
一応、NHKの公式サイトです↓
「チェーホフ」の名言
ここで、ロシアの劇作家「アントン・チェーホフ」の名言です。
マナーというものは、ソースをテーブルクロスにこぼさないことではなく、誰か別の人がこぼしたとしても気にもとめない、というところにある。
アントン・チェーホフの代表作「かもめ」より
先の「岸辺露伴」と同じような感じでしょうか?
こんな大人になりたいものです。(いや、すでに中高年の域に達してるんですけど・・・)
そして、今度採用面接を受けるとしたら、面接官がこんな人であってほしい。
「たとえ勢い余ってノック6連打しちゃっても、たとえ入室時のお辞儀の角度が思いを込めすぎて45度の最敬礼になっちゃったとしても、さほど気にもとめないマナーの達人であっていただきたい、心から。」
おわりに

就職面接マナーの違和感について、人によってはある意味どうでもいいことを、ちくちくと語ってきました。
それにしても私は、岸辺露伴とそれを演じた高橋一生さんのファンなんだということが、今回のことであらためてよくわかりました。
全然関係ない方にいってしまいそうなので、最後にもう一回だけ言わせてください。
「マナーの本質とは相手を思いやる気持ちにある」
ありがとうございました。